楽天市場で買い物をする際に住所入力欄に表示される「デジタルアドレス」。郵便番号を入力するだけで住所が自動生成される便利な仕組みですが、出店者の立場から見ると「本当に使って大丈夫なのか?」という疑問が残る機能でもあります。
実際、住所不備による配送遅延や再送コストは、楽天市場の運営において無視できない負担です。その一方で、デジタルアドレスを活用することで、入力ミスの減少・問い合わせ削減・受注処理の効率化といったメリットも確かに存在します。
では、出店者としてデジタルアドレスを“推奨すべき”なのか。それとも“慎重に扱うべき”なのか。
この記事では、楽天市場で日々受注処理や配送対応を行っている出店者の視点から、デジタルアドレスのメリット・デメリットを現場のリアルを交えて詳しく解説します。
楽天市場のデジタルアドレスとは?仕組みと特徴を分かりやすく解説
日本郵便のゆうIDで発行された7桁のデジタルアドレスを、楽天市場の「お買い物かご」や「お届け先リスト」の住所入力欄で入力することで、本来の住所入力が不要となります。
楽天市場で注文する際には、これまで郵便番号や住所を入力していましたが、7桁のデジタルアドレスを入力するだけで郵便番号と住所が自動入力されます。
■楽天市場でデジタルアドレスを利用するまでの流れ
日本郵便のゆうIDに新規登録します。
ご自身の配送先となる郵便番号と住所を登録するとデジタルアドレスが取得できます。
「お買い物かご」や「お届け先リスト」にてデジタルアドレスを入力する。
これまでにも、郵便番号を入力すると番地を除く住所が表示される仕組みがあります。たとえば「100-0014」と入力すると「東京都千代田区永田町」まで自動入力され、あとは必要な番地・建物名・部屋番号などを入力する流れです。
一方で、デジタルアドレスを入力すると、ご自身の配送先がすべて自動入力されます。あらかじめ登録しておいた郵便番号と住所の番地・建物名・部屋番号まですべてです。
デジタルアドレスの基本:郵便番号ベースで住所を自動生成する仕組み

こちらはゆうIDのデジタルアドレス登録画面です。郵便番号をベースに住所を自動生成する仕組みが採用されています。番地や建物・部屋番号など最後まで入力して、固有のデジタルアドレスを生成します。
楽天市場でデジタルアドレスを入力できる場所
楽天市場でデジタルアドレスを入力できる場所は「お買い物かご」や「お届け先リスト」です。以下のように、それぞれの画面に表示される「デジタルアドレスで入力」から入力できます。
■お買い物かご

■お届け先リスト

通常の住所入力との違い
通常の住所入力との違いは、デジタルアドレスを入力する場合の方が、最後の番地・建物・部屋番号を入力する手間がない点です。デジタルアドレスを入力しても、宛先名(姓名とフリガナ)と電話番号は入力する必要があります。
出店者が感じるデジタルアドレスのメリット・デメリット
デジタルアドレスさえ覚えていれば従来よりは便利に
先にも述べたように、従来の郵便番号から住所を入力する場合と比べ、デジタルアドレスの場合は住所の最後まで自動入力されるのでメリットです。特にマンション名なども含めた住所が長い場合においては、いちいち住所を入力する手間が大きく省けるのがメリットです。
しかし、デジタルアドレスそのものがアルファベットと数字の組み合わせで覚えるのに時間がかかりそうですし、なかなか覚えられないからという理由でスマホなどにメモしておいたとしても、今度はそのメモを探しに行くことがかえって手間(デメリット)に感じます。
楽天市場に限らず、オンライン・オフラインともに世の中のサービスでデジタルアドレスが広く使用されるようになれば、利用者は7桁のデジタルアドレスのみで住所入力を済ませることができ、一定のメリットを感じることはできそうですが、こればかりは今後いかに社会全体で採用されていくかどうかにかかっています。ですので、広く認知されていない現時点では、まだ様子見ということで良いのではないでしょうか。
住所の間違いによる誤配送やトラブルが減るメリット
住所入力において毎度ユーザーが「手入力」している現状では、住所入力の不備がどうしても発生してしまいます。楽天市場に出店している私の経験上、お客様が入力した住所に不備あるケースがあり、よくあるトラブルとしては1.郵便番号入力後の地域名が入力されていない・あるいは間違っている、2.市町村と番地の間に必要な地域名が抜けている、3.番地や部屋番号の記載なし、といった場合です。
このような場合、送り状の発行システムでエラーを検知して修正するケースも多いですが、検知して修正する場合は、お客様への確認が必要なため時間ロスが発生しますし、そもそも検知できないケースは最悪の場合は、お届けできないことによるお客様とのトラブルに発展しかねません。(この場合、住所間違いが事実であれば本来お客様の責になるはずなのですが、「事前にちゃんと確認しなかった」などと言われてトラブルに発展するケースもごく稀にあります。)
以上のようなトラブルは、ユーザー側のデジタルアドレスの利用が増えることにより、減ることが期待されます。先に紹介した1~3のような間違いのパターンはすべてデジタルアドレスが(正確であれば)発生しないはずです。もちろんこれは出店者だけでなく、ユーザーにとっても商品が正しく届くという点で、Win-Winですね。
既に楽天市場を利用するユーザーにとって活用機会は少ない
ふだんから楽天市場を利用するユーザーにとっては、デジタルアドレスを活用する機会は少なそうです。
先にも紹介したように、楽天市場でデジタルアドレスを利用できるのは、「お買い物かご」と「お届け先リスト」です。すでにお届け先を登録している楽天ユーザーなら、毎回のお買い物時に登録済みの住所を呼び出すだけで注文を完了しているケースがほとんどのはずであり、今さらデジタルアドレスを使う必要性がありません。
機能としては中途半端に感じる
デジタルアドレスを入力しても自動反映されるのは、あくまで郵便番号と住所のみです。氏名(お届け先名)や電話番号は入力する手間は今までと変わりませんので、私は機能として中途半端に感じます。
7桁のみで自動反映されるのであれば、氏名や電話番号もセットにしてすべて反映してくれればとても便利に感じますが、そうなると個人情報の漏洩時の問題が大きくなります。「便利さとリスクを考慮して生まれたサービスが結局は中途半端なものになった」という印象を受けます。

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